生活環境の安全浄化

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2009/10/10

生活環境の安全浄化

 

1 風俗環境の現状と浄化対策 (1) 変ぼうする風俗環境 ア 深夜飲食店の増加  キャバレー、バー、料理店等のように客にホステスなどがサービスを行ないながら飲食をさせる営業や、パチンコ屋、マージャン屋等のように客に遊技をさせる営業などは、風俗営業として、風俗営業等取締法(以下「風営法」という。)及び風営法に基づく都道府県条例によって規制されている。

 風俗営業は、公安委員会の許可を受けなければ営業できないことになっており、営業者の資格、営業場所、営業所の構造設備等について一定の制限があるほか、許可を受けた営業についても、18歳未満の者の使用や営業時間あるいはサービス行為等についての制限がある。

 一方、風俗営業に似た営業に、スタンドバー、スナックバー、サパークラブ、酒場等の名称を用いた飲食店営業があり、これらは公安委員会の許可対 表5−1 風俗営業及び深夜飲食店営業の推移(昭和43〜47年) 象ではないが、午後11時以降営業する場合(深夜飲食店営業)には、風営法及び同法に基づく条例によって、営業時間等が規制されている。

 公安委員会が営業許可を与えている風俗営業と、風営法に基づく条例の規制を受ける

深夜飲食店営業について、最近5年間の推移をみると表5−1のとおりである

(以下、本章においては、特に明示のない限り、復帰後の沖縄の数字を含む。)。  

風俗営業の総数は横ばいで、バーや料理店はいずれも漸減傾向を示しているのに対し、深夜飲食店営業は逐年急増している。  これは、風俗営業から、営業の態様や税制面で制約の少ない飲食店営業へ転業するものがあるほか、深夜族の増加等による深夜飲食店の需要増に応じた現象と考えられる。  深夜飲食店の急増の結果、許可なくして風俗営業と同様の営業を行なっている悪質業者がふえつつあることは風俗秩序保持上問題である。

イ モーテル営業の急増  モーテル営業は、昭和34年10月に神奈川県箱根町に店開きしたのが最初で、その後、モータリゼーションの進展と享楽的な風潮を反映して急増を続け、表5−2のとおり、昭和47年末には約6,000軒になっており、地域的には、埼玉(269軒)、静岡(254軒)、愛知(253軒)、茨城(233軒)、千葉(215軒)などに多い。 表5−2 モーテル営業の推移(昭和43〜47年)  欧米諸国のモーテル営業は、自動車利用の旅行者の宿泊所として発達したものであるが、我が国においてはもっぱら自動車で乗りつける男女同伴の客を対象とし、性の享楽場所として利用されている。  このため、モーテル営業は、売春や性犯罪が行なわれる場所になりやすいはかりでなく、

周辺の清浄な環境を害するものとして社会的な問題に発展した。

ウ ソープランドの問題点  ソープランド営業は、売春等風紀を乱す犯罪の発生を招くばかりでなく、このような営業の乱立は風俗環境を著しく害することになるので、風営法の一部改正により、昭和41年7月以降、都道府県条例に定める一定の地域ではソープランド営業が禁止されることになった。  

その後、ソープランド営業の数は、一時、横ばいとなったが、表5−3のとおり、最近は再び増加傾向を示している。 表5−3 ソープランド営業の推移(昭和43〜47年)  

ソープランド営業が多い地域としては、東京(216軒)、神奈川(139軒)、愛知(60軒)等があり、一方、ソープランド営業が1軒もないのは、青森、山形、群馬等の7県である。  

ソープランドの営業形態が、売春行為の行なわれやすい密室と結びついているために、

ソープランドにおける売春の風評が絶えず、一部では、ソープランド即売春の場所として問題視されている。

エ ポルノブームの影響  一部諸外国における「性の解放」、「ポルノ解禁」ムードが、我が国における性のモラルに対しても大きな影響を与えているようにみられる。  最近、我が国の出版物、映画、広告等には性の描写が急増しており、

いわゆるエロ、グロなどの刺激的な性的行為の表現を売り物にする現象も多くみられ、その是非をめぐって論議がなされている。

 特に注目されることは、「映倫」が成人向指定を行なった「ポルノ映画」の増加であり、映倫が発表した成人向指定映画の本数は、表5−4のとおり、最近に至って急増し、昭和47年には審査本数の過半数を占めている。

表5−4 成人向指定映画の本数(昭和43〜47年)  他方、俗に「ブルーフィルム」、「エロ写真」と呼ばれるものも暴力団関係者により製作、販売され、暴力団の資金源となっている。  更に、新しいものとしては、映像や音響関係の技術の進歩に伴って、わい 表5−5 公営競技入場者数及び売上高の推移(昭和43〜47年) せつビデオテープやわいせつカセットテープなどが出現している。

オ 過熱気味のギャンブルブーム  最近のギャンブルブームはすさまじいものがあり、公営競技である競輪、競馬、競艇、オートレースの入場者及び売上高の最近5年間の推移は表5−5のとおりであり、昭和47年の入場者は1億2,500万人にも達し、その売上高は約2兆4,000億円となっている。  宝くじの発行枚数や売上高は、表5−6のとおり、逐年、相当の増加を示している。 表5−6 宝くじ売上げの推移(昭和43〜47年)

 パチンコ屋は、ボウリング場等の新しいレジャー施設の出現に押され、

一時、不況が伝えられたが、表5−7のとおり、最近では営業状態は安定しているようにみられる。

表5−7 パチンコ屋営業の推移(昭和43〜47年) 表5−8 マージャン屋営業の推移(昭和43〜47年)  マージャン屋は、表5−8のとおり、逐年増加傾向を示している。  これらは、パチンコに対する人気の定着とマージャンに対する人気の上昇を示しているものと考えられ、ギャンブル性の高い遊技に対する国民の反応を知ることができる。  また、新たに外国製ギャンブル機具によると博が出現しており、中には100円硬貨を投入し、簡単な機具の操作によって組み合わされる字や絵柄が特定のものとなった場合、最高40万円もの現金が受け取れるものもあり、この種のギャンブル機具をバーなどが客寄せに設置する傾向にあるので、取締りを強化している。 (2) 風俗環境浄化のために ア 風俗営業等の取締り  最近5年間における風俗営業及び深夜飲食店営業の取締結果は、表5−9 表5−9 風俗営業等の検挙状況(昭和43〜47年) のとおりであり、主な違反は、時間外営業、18歳未満の者の使用、客引きの違反で、全体として減少傾向を示している。

 法令違反の最も多い深夜飲食店営業について、最近5年間の違反内容をみると、表5−10のとおり、時間外営業、無許可風俗営業、18歳未満の者の使用が大半を占めている。

表5−10 深夜飲食店営業の検挙件数(昭和43〜47年)  また、都道府県公安委員会は、法令に違反した風俗営業、飲食店営業、個室付浴場業、興行場営業並びにモーテル営業の各営業について、風俗営業者に対しては許可の取消し及び営業の停止、飲食店営業者、個室付浴場業者及び興行場営業者に対しては営業の停止、モーテル営業者に対しては施設の廃 表5−11 風俗営業等の行政処分件数(昭和43〜47年) 止処分ができることになっている。

公安委員会は、これらの処分を通じて、風俗秩序をみだりに乱そうとした悪質な営業者等を排除することなどによって、健全な風俗秩序の維持、確立に努めている。

 最近5年間のこれらの営業に対する行政処分の状況は、表5−11のとおりである。

イ モーテル営業の規制  モーテルは、性犯罪の場所となりやすいばかりでなく、

周辺の清浄な環境を害するところから、これに対する批判が高まるとともに、既存のモーテルに対する苦

情や抗議あるいはモーテル建設に対する反対の陳情や請願等が各地で相つぎ、国や地方公共団体においてもモーテル営業に対する規制方策の抜本的検討が行なわれた。

 その結果、昭和47年7月5日公布施行の風営法の一部改正によって、特に批判の集まっていた客室と車庫が接続し、客が車庫から直接客室にはいれる構造設備を有するものについて規制が行なわれることとなった。すなわち、この種のモーテルは、営業禁止地域を指定した都道府県条例の施行により、営業禁止地域内では新規営業が認められないことはもちろん、既存の営業についても条例施行後1年以内に構造設備を改善するか廃業することになり、問題のあったモーテル営業の清浄化がすすめられることになった。 ウ 売春の取締り  売春行為は、人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良な風俗を乱すとともに、性病のまん延等公衆衛生の見地からも重要な問題であるところから、

我が国においては、昭和31年に売春防止法が制定され、同法によって、売春そのものを禁止し、売春を助長するような行為を処罰の対象にするとともに、

性行、環境に照らして売春を行なうおそれのある婦女に対して保護更生等の措置が講じられている。

 警察においては、昭和33年に売春防止法が全面施行されて以来、同法の趣旨にのっとり、売春取締りの重点を ○ 女性を自己の支配下において売春をさせている管理売春

○ 暴力団が介入している悪質事犯 ○ いわゆる赤線地区復活の印象を与えるような形態の事犯 の3点におき、強力な取締りを行なっている。

 更に、昭和43年以降は、売春の行なわれやすい業態が多く存在している地域のなかから、重点的に集中取締りを行なう必要があると認められる地域を指定し、これに対しては常時強力な取締りを実施している。

 最近5年間の売春防止法違反の検挙状況は表5−12のとおりである。 表5−12 売春防止法違反検挙状況(昭和43〜47年)

 売春防止法違反の検挙は減少の傾向を示しているが、これは、街頭等で行なわれる表見的な売春の勧誘や周旋事犯が取締りによって潜在化したことや、売春の場所提供、管理売春等の事犯が取締りを受けることによって巧妙化したことからその端緒は握が困難になったこと及び暴力団が介入する組織的、広域的な事犯の解明に多くの労力と日時を要することになったこと等の事由によるものであって、売春の実態をそのまま反映したものとは考えられない。

むしろ、諸外国における性の自由化の影響を受け、

我が国でも売春問題に密接な関係のある風俗環境が悪化のきざしをみせており、

また、最近は、以前のように貧困と欠乏等の経済的理由による売春が少なくなったかわりに、好奇心、虚栄心等の欲望や享楽のための売春が増加しているのが実情である。そして、ソープランド、モーテル等における売春やマッサージ師を偽装するいわゆるパンマ売春等秘匿的な方法による売春がかえってエスカレートする傾向がみられ、その検挙活動が困難なだけにかえって社会的に問題は大きく、危険をはらんでいるようにも思われる。

 

更に、最近の暴力団が介入する事犯は悪質化の

傾向にあって、例えば、喫茶店等で若い女性を誘惑し、旅館、モーテル等に連れ込んで、睡眠薬を飲ませ、こん睡させたうえ、裸体写真を撮影して脅迫し、売春を強制するなどの悪どい方法によるものがみられる。

 また、自己の支配下にいる婦女には、配下の組員をいわゆる「ひも」につけ、これに客の勧誘や見張り等を行なわせ、婦女から売春の稼ぎのほとんどを巻き上げるなどの方法で、

二重、三重に搾取を行なっている者もあり、暴力団対策上並びに年少者の福祉の面からもその取締りを強化する必要性が痛感される。

エ わいせつ事犯の取締り  最近5年間におけるわいせつ事犯の取締り結果は、表5−13のとおりである。

 「公然わいせつ」事犯は、ストリップ劇場等におけるセックスショーなどであるが、最近、都市の周辺部や観光地、温泉地においては、レスビアンショーなどと名付けた露骨なショーが行なわれる傾向にあるので、取締りを強化している。  

「わいせつ文書頒布等」事犯は、わいせつ文書、図画、映画等の販売又は上映等であり、これらに対する取締りによって、昭和47年中に、警察が押収したわいせつ物は、週刊誌その他一般書店で販売されている出版物が17

表5−13 わいせつ事犯検挙状況(昭和43〜47年)

種類3万5,970冊、通信販売等で販売されている春本、春画類9万2,385点、わいせつ写真26万9,396点、ブルーフィルム1万3,125巻など、総計42万2,331点という膨大な数にのぼっている。

 昭和47年1月及び4月に「映倫」が成人向指定映画として審査を通過させた「牝猫の匂い」等4本の映画について製作者等関係者を検挙したが、これは、昭和40年の日活映画「黒い雪」の取締り以来7年ぶりのことであり、対象映画が「映倫」の審査を通過して既に全国の141劇場で公開されていたこともあって、わいせつ性の判断、「映倫」の責任等をめぐり、大きな論議を呼んだ。

オ と博等の取締り

表5−14 と博事犯及び公営競技関係法違反検挙状況(昭和43〜47年)  最近5年間におけると博事犯及び公営競技をめぐる関係競技法違反の取締結果は、表5−14のとおりである。

 と博は、従来、暴力団の有力な資金源であったが、暴力団は公営競技をも資金源としており、昭和47年中に、全国の公営競技場におけるいわゆる「のみ行為」で暴力団が取り扱った金額の合計は、数百億円にも及ぶものと推定される。

2 銃砲火薬等の取締り

(1) 厳しい銃砲の規制 ア 銃砲刀剣類所持規制の現況  銃砲刀剣類所持等取締法いわゆる銃刀法は、一般国民の銃砲刀剣類の所持を原則として禁止することによって、銃砲刀剣類を使用する犯罪や取扱いの過誤による事故を防止しようとするものであって、所持規制の仕組みが独特であるところから、我が国の銃砲使用犯罪が欧米諸国に比べて著しく少ないことの理由のひとつにも挙げられている。

 所持規制の基本的な仕組みは、人に対する許可、銃砲刀剣類に対する許可、所持目的に対する許可を組み合わせたもので、手続きとしては、都道府県公安委員会が、申請を受けて審査をし、許可又は不許可を決めるとともに、既に与えた所持許可に対しても、

一定の法令違反があった場合や欠格事由に該当する場合に、許可を取り消すことができることとしている。

 まず、人に対する規制としては

、特定の例外を除き、原則として何人も所持が許されず、例外として所持が認められているのは、公安委員会の所持許可を受けた者、

警察官その他法令に基づいて職務上所持する者、研究、講習、展示等の用途に供するため所持する国又は地方公共団体の職員、銃砲刀剣類の製造、販売業者等である。

 物に対する規制としては、けん銃、猟銃など金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃、模造けん銃(金属製で、けん銃に著しく類似する形態を有する物で、銃腔を金属で完全に閉そくしていないもの又は銃把を除く表面全体を白色又は黄色に着色していないもの)、刃渡り15センチメートル以上の刀剣類、一定の条件を備えた飛出しナイフ等の所持を規制するとともに、

刃体の長さが6センチメートル以上の刃物や模造刀剣類(金属製で、刀、剣、やり、なぎなた、あいくち又は飛出しナイフに著しく類似する形態を有するもの)の携帯を規制している。  

所持目的からの規制では、銃砲刀剣類と用途を厳密に関連づけ、目的外の使用を禁止している。

 このような仕組みの所持規制によって、銃刀法は、所持許可を受けた者が所持許可を受けた銃砲刀剣類を所持目的に従って使用することを期待しており、他人の銃を借りて射撃することや標的射撃用として所持許可を受けた銃で狩猟をすることは認めていない。

 更に、公安委員会の許可基準にも独特な規定が設けられている。

すなわち、人的欠格事由として、18歳未満の者(空気銃について例外がある。)、精神障害者、住居不定者、犯罪前歴者のほかに、「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがある者」を加え、申請者自身がこれに該当する場合ばかりでなく、申請者の同居の親族がこれに該当する場合にも不許可にできることとし、暴力団等の周辺に銃砲刀剣類を置かないよう配意している。

 また、ライフル銃、散弾銃又は空気銃の所持許可を受けるためには、公安委員会が開催する猟銃講習か都道府県が開催する狩猟講習の

いずれかを受講しなければならないことと定め、特に威力の強いライフル銃を所持するには、散弾銃を10年以上継続して所持している者、職業上ライフル銃の所持が必要な者、国際的な標的射撃競技の選手要員として日本体育協会の推薦を受けた者等であることを要するなど、厳しい制約がある。  

以上のような現在の独特な所持規制に至るまでの法令の変遷をみると、戦前は内務省が銃砲火薬類取締法による一体的な銃砲火薬行政を行なっていて、銃砲刀剣類の所持そのものは規制せず、銃砲や特殊な刀剣類の製造、販売、携帯等の規制にとどめていた。

 ところが、敗戦直後の昭和20年9月、連合軍最高司令官の指令に基づき、占領政策の一環としての民間武器の全面的回収が実施され、翌21年6月、銃砲等所持禁止令が発せられて、銃砲刀剣類関係の新しい行政体系が発足した。

その後、数次にわたる法令改正を経て、産業用銃砲など所持許可対象が増加する一方、飛出しナイフや模造けん銃、模造刀剣類までが所持規制の対象に加えられ、今日に至っている。

 我が国の法規制を諸外国の法規制と比較してみると、例えば、アメリカ合衆国では、連邦憲法上、「国民が武器を保有し武装する権利を侵害してはならない。」旨の規定があるため、銃砲の所持規制は最少限度にとどめられており、

連邦法(1968年、銃砲取締法)では事前許可制度が採用されていない。

法規制としては、わずかに、犯罪前歴者や未成年者に対する所持禁止、個人に対する州際移送禁止、けん銃輸入の一般的禁止が定められているにすぎない。  また、州法でライフル銃や散弾銃の購入所持に事前の許可を必要とする州はなく、けん銃の所持でさえ、事前許可制を採用しているのは、ニューヨーク州、マサチューセッツ州など若干の州だけである。

 他方、西ドイツ、ベルギー、フランスなどヨーロッパ諸国においては、

一般的に事前許可制を採用しているが、護身用銃砲の所持許可が与えられる点で、護身用銃砲の所持を認めない我が国と趣きを異にしている。

 このような銃刀法の厳しい規制のもとで公安委員会が所持許可を与えている銃砲刀剣類の数は、表5−15のとおりである。

 この表にあるもののほか、美術品としての価値が認められるものとして都道府県教育委員会に登録されている火縄銃などの古式銃砲や刀剣類約150万点がある。古式銃砲や美術刀剣類の登録は、所持者が誰であるかにかかわりなく、物が存在する限り存続するものであるが、公安委員会が与える所持許可は、猟銃又は空気銃について5年、射撃競技用けん銃又は空気けん銃について最大限2年の有効期間がある。

 ライフル銃の所持許可については、

昭和46年の銃刀法の改正による許可 表5−15 銃砲刀剣類所持許可件数(昭和43〜47年) 基準の厳格化など、所持規制の強化に努めた結果、法改正による効果が確実に現われ、

昭和46年までの増加傾向は、昭和47年に初めて減少に転じた。

これは、銃刀法上、一般のハンターがライフル銃の所持許可を受けるには、散弾銃を10年以上継続して所持することが必要とされたこと、

また、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律施行規則の昭和46年の改正によって、小口径のライフル銃が昭和48年2月16日以後は狩猟具として認められなくなることや、所持許可を受けながら狩猟や標的射撃に使用したことのない「眠り銃」の排除等に努めた結果である。ちなみに、昭和47年中に許可期間が満了したライフル銃4,678丁のうち1,003丁(21.4%)は許可の更新をせず、期間満了前に廃銃の手続きをとったものと合わせ、1,601丁の減少となっている。

イ 銃刀法の適正な運用を期して  銃刀法違反のうち、銃砲刀剣類の不法所持として検挙されたものは、表5−16のとおりである。 表5−16 主要銃砲刀剣類木法所持検挙状況(昭和43〜47年)  全般的な減少傾向の中で、けん銃の不法所持の検挙が著しい増加を示している理由は、暴力団関係の隠匿武器の摘発が進んでいるためで、内容的には、いわゆる改造けん銃の密造、密売にからむ不法所持事犯が激増している。

 改造けん銃の押収数の推移は、表5−17のとおりである。

表5−17 改造けん銃押収丁数(昭和43〜47年)  このように改造けん銃の摘発が、昭和46年以降に急増した背景として、昭和46年の銃刀法改正による模造けん銃の所持規制が挙げられる。

従来、改造途中のものは模造けん銃であることを口実に取締りを免れていたが、模造けん銃で銃腔閉そく及び着色を施してないものの所持ができなくなったことにより、摘発の端緒が得やすくなったといえる。

 ところで、銃砲のもつ殺傷機能の大きさにかんがみ、昭和46年の銃刀法改正によって、銃砲の保管は堅固な保管設備に施錠して行なうこととされ、銃砲販売業者に対しても、武器等製造法の改正による保管の強化が義務づけられた。この結果、銃砲の盗難被害の発生は、

表5−18のとおり、昭和47年に大幅な減少を示し、前年に比べ45件(37%)、62丁(42%)も少なくなっている。

表5−18 猟銃等の盗難の推移(昭和43〜47年)  

猟銃等については、その盗難防止を図るとともに、銃砲の保管、携帯、発射等の規制について違反行為のあった不適格な所持者に対する所持許可の取消処分を積極的に行なって、銃砲の適正な管理の徹底に努めており、その状況は表5−19のとおりである。 表5−19 猟銃等の所持許可取消件数(昭和43〜47年)  なお、銃砲の管理に関連して、猟銃等による人身事故をみると表5−20のとおりである。 表5−20 猟銃等による死傷事故人員(昭和43〜47年) 表5−21 狩猟法違反検挙状況(昭和43〜47年) (2) 火薬類の盗難防止への努力  火薬類とは、火薬(黒色火薬、無煙火薬など)、爆薬(ダイナマイト、カーリット、ニトログリセリンなど)及び加工品(雷管、実包、導火線、煙火など)をいう。  火薬類は、その強力な燃焼、爆発力にかんがみ、火薬類による事故や火薬類を使用する犯罪を防止するため、火薬類取締法によって、火薬類の製造、販売、貯蔵、運搬、譲渡、譲受、

消費及び廃棄までの各取扱段階において、原則として、所管の行政機関の許可を要することになっている。

 このような火薬類が盗難にかかった場合には、犯罪行為等に悪用されて大きな被害をもたらす危険性が生じ、住民に多大の不安感を与えることになる。過去の検挙事例からみると、火薬類を盗む動機には、無償で入手して本来の用途に供するもの、子供等が火薬遊びに使用するもの、密漁に使用するもの、犯罪に使用するもの等があるが、これらのうち、一般国民に大きな衝撃を与えた事例として、赤軍派、黒ヘル集団など、極左暴力集団の爆弾闘争や列車、バス等の交通機関爆破事件などがあげられる。

 ちなみに、火薬類を使用した主要犯罪について、最近3年間の発生及び検挙件数は、表5−22のとおりである。

表5−22 火薬類使用犯罪発生・検挙件数(昭和45〜47年)  火薬類盗難の影響の重大さと捜査の困難性にかんがみ、火薬類の盗難防止について、警察は、都道府県の火薬行政担当課と連携して、火薬類の管理の徹底を図るための立入検査を反復実施するとともに、通商産業省に対して規制強化のための法令改正を要請した結果、火薬庫に対する警鳴装置の設置や施錠の強化などの義務づけが実現し、大量盗難が減少した。

 火薬類の盗難発生状況について、

盗難発生件数と主要な被害品である爆

表5−23 火薬類盗難発生の推移(昭和43〜47年) 薬、火薬及び猟銃用実包の数量をみると、表5−23のとおりである。

(3)

 危険物事故を防止するために

 ここにいう危険物とは、高圧ガス、消防法上の危険物及び放射性物質をいい、表5−24のように分類されるものである。

表5−24 危険物の種類  これらの危険物による事故のうち、警察が特に重点的に防止に努めているものは、危険物運搬車両の交通事故と一般消費者のプロパンガスによる事故である。

 危険物運搬車両の交通事故は、件数そのものは少ないが、万一発生した場合の被害の重大さにかんがみ、事故防止に細心の注意を払う必要がある。過去においては、昭和40年秋に、兵庫県西宮市の第2阪神国道でプロパンガス運搬中のタンクローリーの事故があり、昭和47年5月には、兵庫県姫路市内の路上で高圧水素運搬中のトラックが追突事故を起こして爆発炎上し、2人死亡、2人重軽傷の被害が発生した。

 警察は、危険物の運搬計画を事前に的確には握して所要の警備措置を講ずるとともに、

運搬中の保安基準の遵守を徹底させるよう、関係機関等と緊密な連絡を保っている。

 火薬類及び危険物の運搬量の増加に伴い、

通商産業省、消防庁、科学技術庁その他関係省庁と連携して、昭和45年秋以降、危険物等の運搬車両に対する総合的取締りを実施している。

昭和47年秋の総合的取締りでは、タンクローリー9,170台中の906台(9.9%)、一般車両(トラック等)1万5,026台中の1,723台(11.5%)、計2万4,196台中の2,629台(10.8%)を関係法令違反として取り締まった。これは、昭和45年秋の総合取締りの際には、約半数が違反車両であったことからみると大幅な減少であるが、

なお、保安基準等の違反が10%もあったことにかんがみ、いっそうの指導取締りが必要である。

 次に、危険物による事故発生状況を、事業所と事業所以外とに分けてみると、表5−25のとおりである。 表5−25 危険物事故発生状況(昭和43〜47年)

 昭和47年の死傷者は2,000人を越えているが、このうち3分の2は高圧ガス、3分の1は消防法上の危険物によるものである。高圧ガスによる死傷者の大部分はプロパンガスによるもので、全死傷者の過半数を占めており、一般消費者の段階で発生するプロパンガス事故の多発を示している。  最近3年間の危険物取締法令違反の検挙状況は、表5−26のとおりである。

表5−26 危険物事犯検挙状況(昭和45〜47年) 3 麻薬・覚せい剤禍の追放を (1) 麻薬・覚せい剤事犯摘発の推移  麻薬・覚せい剤は、強力な鎮痛作用や覚せい作用によって、医療上欠くことのできない貴重な医薬品である反面、習慣性があり、

その習慣性から生じる中毒症状の恐ろしさも周知のところであって、その不正使用の追放に、警察は、関係機関、団体等と協力して、永年努力を続けている

。昭和20年代のヒロポン、昭和40年代のヘロイン、そして最近のLSDなどは取締りの代表的対象である。

 昭和20年代には、敗戦による混乱のひとつの現象として、売春婦をはじめ夜のやみにまぎれて生活する人々が多くなり、その中からヒロポンの不正使用が全国に浸透した。遂には学生の受験生活にまでヒロポン禍が及び、大きな社会問題となって、昭和26年に覚せい剤取締法が制定された。これにより、強力な取締りを推進し、昭和29年には5万5,000人あまりを検挙した。

 これをピークに、覚せい剤事犯は漸く減少傾向をみせ、昭和30年代には、鳴りをひそめた状況になった

。  ヒロポンにとって代わったヘロインは、暴力団の資金源として、全国の主要な盛り場や港湾周辺等に浸透していった。麻薬は密輸入が通例であるから、我が国に持ち込まれる段階で摘発する「水際作戦」を強力に推進した結果、一時的には禁断症状に苦しむ中毒者が麻薬を求めて街頭をさまよう光景もみられたが、昭和35年の3,451人の検挙をピークにして次第に下降線をたどり、昭和44年以降の検挙人員は1,000人を割っている。

 ところが、昭和45年以降、LSDや大麻など新しい麻薬が登場し、覚せい剤も暴力団の組織力によって、再び全国に浸透する勢いをみせている。  過去20年間の麻薬及び覚せい剤事犯の検挙人員の推移をみると、図5−1のとおりである。

図5−1 麻薬・覚せい剤事犯検挙人員(昭和28〜47年)

(2) 本土の覚せい剤、沖縄の麻薬  

覚せい剤事犯の検挙は、昭和44年以降、逐年、倍増に近い勢いで増加しており、これに伴って、覚せい剤をめぐる犯罪や事故も続発している。昭和47年中に、覚せい剤の薬理作用により、あるいは覚せい剤の入手をめぐって発生した殺人その他の各種犯罪、事故死、自損行為、生活破綻の事例は、137件に及んでいる。

 覚せい剤事犯の地域的浸透状況をみると

表5−27のとおりであり、昭和44年頃までは、近畿を中心に中国、四国に集中していたが、次第に関東、九州に広がり、昭和46年には、北海道、東北にも及び、ついに昭和47年には、沖縄を除く全国46都道府県で検挙をみるに至った。これは、マイカーのほか、新幹線から航空機までを利用する事犯の広域化、スピード化の結果と考えられ 表5−27 覚せい剤事犯地域別検挙人員(昭和43〜47年) る。

ちなみに、この種事犯の捜査範囲が2以上の都道府県に及んだものは全事犯の約70%あり、中には14都府県にまたがった広域事犯もある。  覚せい剤事犯の態様をみると、

表5−28のとおり、密造事犯の減少傾向と対照的に、譲渡・譲受事犯、所持事犯並びに使用事犯が急激な増加傾向を示していて、覚せい剤の不正使用者の増加傾向がうかがえる。この傾向がこのまま続くと、昭和20年代のヒロポンはん濫の再現となるおそれもあるので、取締り強化に努めている。

表5−28 覚せい剤事犯態様別検挙人員(昭和43〜47年)  密造事犯の減少傾向に対し、密輸入事犯は増加傾向を示している。

検挙事例の中には、暴力団員が海外から自ら携帯密輸入したもの、原料を海外へ持ち出して密造したうえ密輸入したもの等があり、密輸出入のいずれについても厳重な警戒を要するところである。  

覚せい剤事犯の検挙人員中に占める暴力団員の割合の推移をみると、

表5−29のとおりである。 表5−29 覚せい剤事犯における暴力団員検挙人員(昭和43〜47年)  

昭和47年中に検挙した覚せい剤取締法違反者のうち、暴力団員は64%を占めており、残りの大部分も暴力団が関係していた事件の被疑者であった。

 もともと麻薬・覚せい剤などの禁制品の密売は、暴力団のような反社会的組織と結びつき易いものであるが、覚せい剤は、暴力団にとって比較的密造や入手が容易であって、しかも、中毒者による需要が絶えないところから、

1グラムについて仕入価格が2,000円ないし4,000円のものが、末端価格で20万円にもなる不法な利益の魅力にとりつかれ、今後とも暴力団が覚せい剤の密輸入、

密売に暗躍することが懸念される。

 一方、麻薬犯罪情勢は、昭和30年代のヘロイン横行時代からみると極めて鎮静しているが、最近の世界的な薬物乱用の風潮を反映して、大麻やLSDのような幻覚型の麻薬が我が国の青年層に浸透するきざしがある。

 

麻薬のほとんどは海外から密輸入されており、麻薬と主要な仕出地の結びつきは次のようになっている。

ヘロイン … 香港、フィリッピン等 モルヒネ … マレーシア、シンガポール等 あへん … タイ、香港、マレーシア、シンガポール等 LSD …

アメリカ、ヨーロッパ各国 大麻 … 中近東、アフリカ及びヨーロッパ各国 表5−30 本土と沖縄の麻薬押収比較(昭和47年)  昭和47年の麻薬押収状況を、本土と沖縄に分けてみると、

表5−30のとおり、沖縄の特殊事情がうかがわれる。  

沖縄の検挙人員は、全国47都道府県中の首位を占めている。ヘロインの押収量は本土の2.9倍を示しており、法令別にみても、本土では過半数を占める大麻取締法違反が沖縄では3分の1であって、残り3分の2は麻薬取締法違反となっている。

 このような麻薬犯罪情勢に対処する沖縄県警察は、昭和47年5月15日まで、本土と異なる捜査体制をとっていたため、本土復帰に伴って、麻薬事犯取締体制を整備強化して積極的な摘発を進めている。 (3) 国際協力による麻薬禍追放  麻薬は、前述のとおり、そのほとんどが東南アジアをはじめとする海外からの流入である。したがって、麻薬事犯に効果的に対処するためには、我が国へ持ち込まれる段階で摘発する「水際捕捉」の推進と、供給地、中継地に当たる諸外国との緊密な連携による取締り活動の強化が必要である。

 麻薬事犯の国際性にかんがみ、昭和39年12月に発効した「麻薬に関する単一条約」があり、

現在、我が国はじめ88箇国が加盟している。加盟各国は、この条約に基づき、関係国内法令を整備し、麻薬の不正使用の取締りに同一歩調をとっている。

 更に、麻薬事犯摘発のための捜査技術の向上と関係情報の交換を図るため、我が国は、コロンボ計画に基づく麻薬犯罪取締りセミナーを毎年1回東京で開催している。昭和47年にも、東南アジアを主とする14箇国から18名の参加をえて、第11回のセミナーを開催した。

 なお、覚せい剤事犯に関しては特別の条約がないので、ICPOを通じた捜査共助によって目的達成を図っている。 4 公害排除への警察の取組み

(1) 公害の取締体制  公害とは、「事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずること」(公害対策基本法第2条)とされている。

 産業の発展、消費生活の向上に伴い、企業や人口の過度の都市集中が起こり、都市とその周辺の環境破壊や汚染が急速に進行しつつある。排出される環境汚染因子の量は増加の一途をたどっており、今後も更に大幅な増加が予測されている。中央公害対策審議会の「環境保全長期ビジョン中間報告」(昭和47年12月13日発行)によると、代表的な大気汚染因子である硫黄分並びに水質汚濁の度合を示すBOD負荷量の推移は、表5−31のとおりである。

表5−31 汚染因子排出量の推移(昭和30、35、40、45、60年)

 また、一般家庭で廃棄するゴミは、上記中央公害対策審議会の中間報告によると、昭和40年に2,490万トン、昭和45年に3,470万トンと計算され、昭和60年には7,890万トンに達するものと予測されている。

 このようなすう勢の公害に対処する警察の組織機構は、新しい分野であるため充実強化の途上にあるが、現在、警察庁保安部に公害事犯捜査担当官を置き公害事案の処理について企画指導にあたっている。また地方では、各都道府県警察本部に公害特別捜査班を編成しているほか、主要府県に公害対策室、公害調査官等を設置している。

 公害事案処理用の警察装備として、

各都道府県警察では、水質検査セット、PH計、採水器、ばい煙採取装置、ばい煙測定鏡、騒音計等を整備している。

(2) 激増する公害事案の処理状況 ア 公害事件の検挙  

最近4年間の公害事件の検挙件数の推移は、

表5−32のとおりで、急激な増加傾向を示している。 表5−32 公害事件検挙件数(昭和44〜47年)  昭和47年の検挙件数は、昭和44年に比べ6倍にも達しており、態様別にみると図5−2のとおりである。

図5−2 公害事件態様別検挙件数(昭和47年)

図5−3 公害事件端緒別検挙件数(昭和47年)

 公害事件の法令別検挙件数をみると、

28法令に及んでおり、表5−33のとおりである。  

昭和47年には、初めて、水質汚 表5−33 公害事件法令別検挙件数(昭和47年)

表5−34 公害関係苦情受理件数(昭和44〜47年) 濁防止法の定める排水基準に違反する事件を検挙したほか、大気汚染防止法、海洋汚染防止法、人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律の違反事件の検挙があり、

公害排除に取り組む警察活動が漸く軌道に乗ったといえる。

 昭和47年に検挙した公害事件の端緒は、図5−3のとおり、警察官の現認や聞込み等によるものが過半数を占めている。 イ 公害関係の苦情処理  警察に持ち込まれる公害関係の苦情は、公害問題の深刻化に伴い、表5− 表5−35 内容別公害関係苦情受理件数(昭和47年) 表5−36 公害関係苦情処理件数(昭和47年) 34のとおり、年ごとに増加の一途をたどっている。

 昭和47年に受理した苦情の内容及びその処理状況は、表5−35、5−36のとおりであり、昭和47年末においては、苦情受理件数のうち95%に当たる25,788件が警察段階の処理を終っている。

5 身近な生活侵害事犯の取締り (1) マイホームづくりを阻害する不動産犯罪  核家族化等に伴って、マイホームを持ちたいという国民の欲求は強まるばかりであるが、これに対応する土地が需要をみたしきれないところから、悪徳不動産業者につけ込まれるすきも多い。

 最近5年間の不動産関係事犯の検挙状況は、表5−37のとおりである。 表5−37 不動産関係事犯検挙状況(昭和43〜47年)  昭和47年の検挙状況をみると、農地法違反が、土地の思わく買いにからんで急増している点で注目される。  

不動産犯罪の中で最も多い宅地建物取引業法違反については、表5−38にみられるとおり、モグリ業者や悪質な商取引の横行がうかがわれる。

表5−38 宅地建物取引業法違反態様別検挙状況(昭和43〜47年)

 警察は、土地、建物をめぐる社会情勢がますます需要増加の方向にあるものとみて、一般国民が被害にかかり易く、かつ、実害発生の危険性の高い事犯の未然防止に努めている。特に、違反前歴者等による無免許営業や重要事項不告知等の悪質事犯が多いので、前歴者等の動向に目を光らせている。  

昭和47年に検挙した宅地建物取引業法違反の捜査の端緒は、図5−4のとおりである。 図5−4 宅地建物取引業法違反端緒別検挙件数(昭和47年) (2) 庶民泣かせの高利貸し  庶民の日常の経済生活を破壊するものに金融犯罪があるが、その代表的なものは、やみ金利と預かり金事犯である。

いずれも、手軽に融資を受けられるとか、高率の利殖ができるなどの甘言に誘われたあげく、厳しい元利の取り立てを受けたり、資金の回収も不能になるなどの結果、

家庭の崩壊にまで至る危険性のある事犯である。警察は、市民生活の安全を守る立場から、この種の悪質事犯を重点に、金融犯罪の取締りに当たっている。  

最近3年間の金融犯罪の検挙状況は、表5−39のとおりである。

表5−39 金融犯罪検挙状況(昭和45〜47年)

 最近3年間に検挙された金融犯罪は、毎年その90%までが出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律の違反であって、その内容は、高金利事犯が過半数を占め、これに次いで、無届貸金業、預かり金、浮貸し、媒介手数料の超過受領等の順になっている。

 相互銀行法違反(違法な頼母子講)は、件数はさほど多くないが、犯罪の組織性、計画性や被害者の多い点で見のがすことができない。

 また、暴力団の金融業界への浸透に伴い、その高金利事犯は特に厳重な取締りを要するところで、俗にセブン・セブン(10日に7分7厘)とかトイチ(10日に1割)といわれるものから、最近は競輪場や競馬場の附近でギャンブルファンの過熱につけ込み、トサン(10日に3割)のやみ金利で暴利をむさぼるものまで出てきている。

(3) 素人は要注意、商品取引  商品取引は、我が国経済の高度成長を背景に、相場に関する知識、経験の乏しい一般大衆が利を求めて活発な進出を見せるにつれ、注目を浴びるようになった。悪徳業者による不当勧誘、一任売買、無断売買等の犠牲者が続発したことに対して、昭和42年に、委託者保護を目的とした商品取引所法の一部改正が行なわれたが、その後もなお、悪徳業者の不正は跡を断たず、犯行はますます悪質、巧妙化の傾向にある。  

商品取引をめぐる不正事犯の検挙数は、過去5年間に67件、116人で、特に大きな数字ではないが、他方、商品取引所で取り扱った委託者紛議件数は、過去5年間に1,115件も発生しているところからみて、

実際には、かなりの不正事犯の潜在がうかがわれる。

 

この種事犯の被害は、「手ぶりの世界」

といわれる業界特有の仕組みなどを知らないまま、利殖の甘い夢にとりつかれてかかるものである。一般的な手口としては、悪徳業者が委託証拠金として委託者から預託される現金、有価証券等をねらって敢行するもので、ねらった相手に甘言・詐言を用い強引に勧誘を行ない、初めは利食いをさせて安心させておき、機をみて、架空委託者口座等を利用して対向売買に出たり、委託者に無断で売買を重ねたりし 表5−40 商品取引をめぐる会社ぐるみの事犯検挙事例(昭和47年) て、その手数料や損害金として証拠金のほとんどをまきあげてしまうものが多い。

昭和47年中に検挙した商品取引をめぐる会社ぐるみの事犯の主なものは、表5−40のとおりである。

(4) 健康侵害事犯の監視  最近5年間の薬事・衛生事犯の検挙状況は、表5−41のとおりである。

表5−41 薬事・衛生事犯検挙状況(昭和43〜47年)  昭和47年の特徴は、シンナー遊びに対する法規制を強化した結果、毒物及び劇物取締法違反の検挙が増加したこと、医師不足につけこんだ医師や歯科医師等の免許のないにせ医師事犯が全国的に摘発され、空前の記録を示したことで、特に、大都市の著名な病院におけるにせ医師事犯の検挙は、国民の健康管理に対する関心を高め、医療管理の姿勢を正す契機となった。

6 展望と課題  この章で述べたところは、刑法犯に対し「特別法犯」と呼ばれているもののうち、防犯、保安警察に属する分野である。

この分野は、風俗営業、銃砲火薬類の規制をはじめ、行政が先行することによって適正な秩序が保たれることが多く、それゆえ、警察は、国民の要望を、違反事件の捜査ばかりでなく、所管の行政事務においても十分反映させるよう努力している。 (1) 風俗環境の浄化  70年代の社会情勢の推移の中で、最も変化するのは風俗環境であるといわれている。最近の風俗環境は、先にも述べたように、都市化の進展や享楽的な世相を反映して、深夜飲食店やモーテル等風俗保持上問題のある業態が増加を続け、また、セックスの問題を取り扱った週刊誌、映画、広告物等が数多く出回り、一部にはポルノブームの影響をうけて、性描写が露骨になっている。

また、風俗犯罪も、ソープランドをはじめ温泉地、観光地等の旅館、風俗営業における売春事犯、ストリップ劇場等における公然わいせつ事犯、外国製ギャンブル機具による新たな形態のと博事犯等全般的に悪化の傾向をたどっており、

今後、諸外国からの影響等も加わって、更に悪化することが予想される。

 風俗問題は、人間の本能的な欲望に関連するだけでなく、それぞれの時代における価値判断の基準と最もかかわり合いの深いものであるだけに、極めてむずかしい問題とされているが、警察としては、現情勢の中で社会通念を十分見きわめ、適時適切な取締りを推進するとともに、必要により風営法等の抜本的改正を含む法規制を検討し、善良な風俗環境を保持するための方策を強力に推進することとしている。

(2) 公害事犯の取締り  公害事犯の取締りは、

警察の取締り活動の中で極めて新しい分野で、未だ緒についたばかりという実情にある。その理由は、公害事犯取締りの主要な法律である「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」、「大気汚染防止法」、「水質汚濁防止法」及び「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」等の制定又は一部改正による罰則の整備が昭和45年以降に行なわれたためである。

 警察は、公害事犯の取締りにあたっては従来、検挙活動のほか、関係者に対する具体的な指導、警告を実施してきたが、公害問題がますます深刻化し、悪質な公害事犯の多発に伴い、警察の積極的な取締りを望む声は、今後一層高まるものと予想される。

 警察としては、このような国民の期待にこたえるため、

まず、全国的に公害事犯取締りの専従体制を強化することが急務であり、公害事犯捜査に不可欠な科学的知識と技術を有する専門職員を増強するほか、

全国の警察本部や主要警察署における公害事犯捜査の専従体制を確立することが必要である。

次に、公害事犯捜査では、特に、科学的資料の収集による立証を要求されるため、所要の装備資器材の整備充実が必要である。  

更に、取締りに従事する警察職員が、保有の装備資器材を駆使し、迅速かつ的確な事件処理を行なえるよう、職員に対する教養を徹底し、捜査能力の向上を図ることが必要である。

(3) 経済生活侵害事犯の取締り  

国民の日常生活を侵害する各種事犯のうちでも経済生活を侵害する事犯は、今後、その多発とそれによる深刻な被害の発生が予想される。特に、国民所得の向上と購買力の増大の一方、物価上昇傾向を背景にして、一般大衆の無知に乗じて利を図ろうとする不動産関係事犯、金融関係事犯、商品取引関係事犯等が、ますます巧妙に敢行されると思われる。この種の事犯は、一見、合法的な商行為を装おうものが多いが、警察がそれぞれの業界に特有な仕組みに通暁し、関係法令を駆使することによって、詐欺、横領、背任等の刑法犯やこれと関係の深い特別法犯として検挙することができるので、今後とも、この種の事犯の取締りについて、専務体制を整備強化するとともに、その捜査能力を充実向上させる必要がある。


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